こんにちは、とんです。
以前『作業療法とは?』という記事を書かせていただきました。
作業療法士に興味を持っていただけた貴方が次に気になることは、どんなことを学んで、どんなことが楽しくて、どんなことが辛くて大変だったか、リアルな声ではないですか?オフィシャルなものの体験談は前向きなことしか書いていないから、実際に大学や専門学校に入学したら思ったのと違うということがあります。
今回の記事では、わたしの実体験談を中心に書いていきたいと思います。1人の作業療法学生だったわたしの体験談が貴方の背中を押す1つになりますように。
今回の記事がおすすめな人
- これから作業療法士を目指したい人
- 将来の仕事をどうしたいかわからない高校生
- 作業療法学生の実体験を知りたい人
作業療法学生として過ごしてみてどうだった?
楽しかったこと
友達と一緒に勉強していた時
すごくありきたりですが、友達と一緒に勉強していた時はとにかく楽しかったです。
作業療法学生の学生生活は、かなり膨大な量の知識を詰め込み、テストに臨み、1人で孤独な実習に耐え、国家試験に臨む。
これだけ聞くと『どれだけ辛い学生生活送ったんだよ』という感じですが、友達と一緒にバカやりながら勉強していた時のことを振り返ると意外と楽しかったなと思うのです。大学に通っていた当時から学校に通うことが毎日楽しくて仕方なかったです。
作業療法学科は大体40人前後で編成されている学校がほとんどです。医療系の学部学科の中でも圧倒的な少なさです。ただその分みんなと顔見知り。みんな友人。みんな学生生活を乗り切る仲間。楽しくて仕方なかったな・・・
作業療法技法実習
これは作業療法学科特有の授業です。作業療法は上記にもある通り『作業を用いてリハビリをする』仕事になります。その作業の種類を学ぶための実習です。学校によって授業名や実際に行う作業は違いますが、作業療法士全員やっている授業です。
例えば『陶芸』『木工』『手芸』『料理』『トランポリン』『機織り』本当に色々あります。
遊び半分授業半分のような感じのような授業でした。全部に作業療法的な意味は含まれているけれども、他の人から見たら遊んでいるように見られるかもしれないことを真剣に学んでいるこの授業がすごく大好きでした。
これだけ聞くと手先が器用でないと作業療法士にはなれないのでは?と思いますよね。
大丈夫です。わたしこの上記のことまーったくできません。大事なことは、これらの作業を通してどのような機能が保たれていて、どのような機能を伸ばしていく必要があるのかという動作を分析することが大切なので、全く心配ありません。レポート提出もおそらくどの学校でもあると思うので、作品がどんなに悲惨なものでもレポートで挽回できます(笑)
実習
大変だったこと1位でもある実習。病院ガチャが正直あるので、全部の実習が楽しかったわけでも無いし、泣きながら行った日も沢山あるけれど。
当時出会った患者さんのことは今でも思い出しますし、ケースとして受け入れてくれた患者さんにとても可愛がってもらった記憶がすごく鮮明に残っているんです。毎日患者さんに会うために実習に通っていたと言っても過言ではない。
でもこの患者さんと良好な関係を築いて、いっぱいコミュニケーションを取って、大好きなところをいっぱい見つけて・・・そんな学生時代に培ったこの考えは、今でも作業療法士として働く上で大事にしている考えです。その考えに出会えたことはかけがえないし、大好きだったケースの方のおかげで出会えた考えだなと思います。
またバイザー(実習の時の指導者の作業療法士)ガチャも割と良い方で。沢山悩んで時には泣いているわたしに沢山色々なことを教えてくれつつ、作業療法の楽しさを教えてくれたり、プライベートも沢山心配してくださったり・・・辛い実習ではあったけれど、逃げ出さないでいられたのはバイザーの先生に出会えたからだな、と思っています。
楽しかったとはまた別の感情かもしれないけれど、自分の礎になる大事な価値観を貰えた実習は、もう2度とやりたくは無いけれど、ポジティブな思い出の一つです。
大変だったこと
正直大変だったことだらけです(笑)
思っていた大学生生活は送れませんでした。高校生の頃の友人が長期休暇の時は大抵実習。4年生になった時に友人がゼミの時だけ通学して、バイト三昧、旅行も沢山行っているような時には、国家試験のための試験勉強の最中。Instagramを見ればみんなキラキラした生活を送っている。このギャップに耐えられる人に向いている学生生活かなと思います。
定期試験
国家試験だけではなく、定期試験の勉強も大変でした。
合格できずに留年していく人も40名前後の学科の中で1年ごとに2−3名はいると思っていただいても良いかと思います。
科目数が多いだけではなく、問題数が多かったり、範囲が広かったりとハードルが高いです。持ち込み可能の教科も1つもなかったです。全部頭に叩き込め!
わたしが苦手だったのは、『解剖学』『生理学』『運動学』『整形外科』……作業療法士になるためには本当に致命的。逆に精神科の授業が得意でした。なのに今は身体障害系のリハビリをしているので不思議なものです。
実習
週に何回は泣いていました(笑)大体1人で実習先の病院にお世話になるので心細いかつレポート量が多い、知識の少なさに絶望しながら、毎日通っていた記憶があります。
正直病院ガチャはある。これは通学の時間とかバイザー(実習の時に指導してくれる作業療法士)との相性とか。2時間かけて通っていたりもしましたし、病院の近くに家を借りたりもしていました。学校も通学の時間は配慮してくれよ、と正直思っていました。
でも全然寝れないとかはなかったです。絶対に睡眠時間は確保してください!という病院で実習させてもらえることが多かったので、毎日寝れているかどうか聞かれていたし、クマができていたら心配される。友人の話を聞いていても割とそういう病院が多いかもしれないです。人間関係的なところで辛いなとはわたしは思わなかったかも。
グループ演習
『リハビリプランを考えてきてください』等の課題はグループ演習になることが多かったです。それもほとんど授業時間では行えず、空きコマの時間に時間を設けることが多い。これが本当にストレスだった!自分の意見を言語化して伝えることや自信を持って伝えることが苦手だったので、本当にしんどかったです。
結構このグループ演習はほとんどの人がしんどいって言っていた気がします。
でもグループ演習でやっていたことって意外とずっと覚えているんですよね。国家試験もグループ演習で勉強したことは絶対にそのころの日常が思い出されて、答えることができていました。働いている今でも覚えているグループ演習は何個もあリマス。当時は辛かったけど、今となっては大事な演習課題でした。
国家試験
もうこれが最大の難所!これに合格できなければ留年決定。しかも1年に1度しかない。ずっとピリピリしていました。模範生という感じでもなかったので、先生から逃げ回りながら勉強していました(笑)
学校ごとの合格率はほとんど100%だったりするので簡単な試験なのか?と思われがちですが、そんなことは決してないです。合格見込みのない子は卒業試験の再試を国家試験の日にぶつけていたりと、カラクリがあったりします。人生の中で1番勉強した期間でした。
ただ年末の卒業試験が終わってからは、授業が一切なかったので、友達と一緒に教室一室貸し切って勉強していました。語呂を作ったり、問題を出し合ったり、時には替え歌を歌いながら、踊りながら勉強してみたり…
国家試験はもう2度と受けたくないけれど、国家試験の勉強期間は楽しかったからもう1度やりたい。これは度々友人と話題になります。国家試験のあの緊張感だけはもう2度と味わいたくないということはみんな共通して一致しています。
作業療法学生として4年間過ごしてみてどうだった?
思っていた学生生活ではなかった!!!!!!!
何度も泣いたし、何度も挫けそうになったし、何度も辞めようと思ったし、何度も留年の危機に晒されて・・・・レポートは多いし、覚えなきゃいけないことは多いし、みんなが長期休みの時は実習に行っているし・・・・いっぱいバイトして、いっぱい遊んで飲み会行って・・・・そんなわたしの輝かしい大学生活どこ!?という学生生活でした。
でも4年間頑張った分、今大好きな作業療法士の仕事に就けているので、悪い記憶だけでは無いです。むしろこの限られた自由な学生生活の中で全力で楽しめたなと。
作業療法学科の特徴の1つかなと思うのは、行事ごとを大切にしすぎるところ。認知症の方と関わる機会が多く、認知面にアプローチすることもある作業療法士。だからこそ行事ごとを大切にして、みんな全力で色んな行事、例えば節分、雛祭り、クリスマス、ハロウィン等々。普通の学生がスルーするかな?という行事に全力投球でした。そういうことを含めてみんなで楽しめた学生生活もまた楽しい生活でした。
若さもあり、オタ活ともしっかり両立していました。沢山遠征したし、現場に入ったし。授業のプリント片手に次の日のテスト勉強していたのも良い思い出です。
思っている学生生活は送れないかもしれないけれど、就職には殆ど困らない。生半可な気持ちでは国家試験まで辿り着けないけれど、その中でも楽しい生活を送ることはできる。
作業療法学生が少しでも増えれば良いなと思いながら、今回の記事を終えたいと思います。
また次回お会いしましょう!
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